2023年度 営業の概況 (2023年4月1日から2024年3月31日まで)

1.企業集団の現況
 (1)当事業年度の事業状況
 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が5類に移行されたことにより、コロナ禍による影響がほぼ払拭され、個人消費や設備投資の持ち直しにより国内景気は緩やかな回復基調となりましたものの、円安の進行、世界的な金融引き締め、物価上昇等により依然として先行き不透明な状況にて推移いたしました。
 観光事業につきましては、国内旅行需要の回復等により利用者数は前期と比較し日帰り・宿泊ともに増加いたしました。
 燃料商事事業につきましては、販売数量が減少いたしました。製造関連事業につきましては集中豪雨の影響を大きく受ける結果となり、運輸業につきましてはコスト削減に努め、堅調に推移いたしました。アグリ事業につきましては厳しい状況にて推移いたしました。
 このような状況の中、当社グループは「経営計画2023」の1年目として、継続的な収益の確保及び財務体質の強化に向けた取り組みを進め、着実に成果をあげております。
 この結果、当連結会計年度の売上高は148億81百万円(前期比14億46百万円、10.8%増)、営業利益は13億23百万円(前期比7億2百万円、113.2%増)、経常利益は12億33百万円(前期比5億49百万円、80.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億34百万円(前期比2億88百万円、44.7%増)となりました。
  セグメント別の業績は下記の通りです。
【観光事業】
 スパリゾートハワイアンズにつきましては、5月8日から感染症法上の分類が5類に移行したことも踏まえ、コロナ禍の衛生対策及び制限について適時適切な緩和を図りながら、お客様と従業員、関係者が安心・安全にお過ごしいただける環境を保ち施設運営をしてまいりました。
 また、9月に発生した記録的な集中豪雨の影響により電力供給元である変電所が水没したことで、営業するための充分な電力が確保できなかったため、9月9日を全館臨時休館とし、9月10日から一部施設(「幼児プール」「流れるプール」「ビッグアロハ」)を休止して営業を再開いたしました(「幼児プール」「流れるプール」は9月23日より再開、「ビッグアロハ」は2024年3月15日から再開)。
 日帰り部門におきましては、夜のポリネシアンショーを2023年4月と 2024年3月にリニューアルをいたしました。
 また、8月からは休日などに限定していた昼と夜のポリネシアンショーのお客様体験コーナーを、コロナ禍以前と同じ毎日開催へと戻し、10月には昼のポリネシアンショーを、12月には夕方のショー「ポリネシアン・トワイライトパーティ」をリニューアルいたしました。
 ゴールデンウィーク・夏休み・冬休み・春休み期間中には、ご家族一緒に楽しめる主催イベントの開催に加え、ゲームアプリ「白猫プロジェクト」やゲームソフト「龍が如く8」とコラボした共催イベントや同業事業社とコラボしたイベントの開催等、話題づくりを実施いたしました。
 また、いわき市と市営スタジアムのネーミングライツパートナー契約を締結し、J2いわきFCのホームスタジアムでもある当該施設の愛称を 10月1日より「ハワイアンズスタジアムいわき」と命名いたしました。
 宿泊部門につきましては、一部老朽化した客室の修繕を施し、引き続ききめ細やかな受入れ及び安心安全な食のサービス提供に注力してまいりました。コロナ禍を機に導入した「世界最大級の露天風呂『与市』」やポリネシアンショーの貸切プラン等を継続実施し、「全国旅行支援」の利用促進、平日需要に応える「1室定員同一料金」、「連泊割」、「館内利用クーポン券付」など多種多様な旅行プランを提供してまいりました。
 利用人員につきましては、豪雨被害により9月9日を全館臨時休館といたしましたものの、旅行市場の回復を受け、日帰り部門は930千人(前期比182千人、24.4%増)、宿泊部門は377千人(前期比65千人、 20.8%増)となりました。
 スパリゾートハワイアンズ・ゴルフコースは、豪雨被害により9月9日から29日までの21日間の営業を休止いたしましたが、9月30日から2コース18ホールで営業を再開し、利用人員は31千人(前期比8千人、20 . 8 % 減) となりました( 中コース9ホールは2024 年3月時点で休止中 )。
 グランピング施設マウナヴィレッジは、2022年7月1日に行った拡張リニューアルの1周年を記念したキャンペーン等を行い、利用人員は8千人(前期比1千人、13.0%増)となりました。
 これらの結果、当部門の売上高は111億円(前期比19億22百万円、 21.0%増)、営業利益は23億7百万円(前期比11億10百万円、92.9%増)と、過去最高益を計上いたしました。
【燃料商事事業】
 石炭部門につきましては、一般産業向けの販売数量が減少し減収となりました。石油部門につきましては、一般産業向けの販売数量が増加いたしましたものの、電力会社向けの販売数量が減少し減収となりました。
 発電事業につきましては、おおむね堅調に推移いたしましたものの、資材部門につきましては、受注が減少いたしました。
 この結果、当部門の売上高は5億42百万円(前期比3億22百万円、 37.3%減)、営業利益は2億1百万円(前期比3億55百万円、63.8%減)となりました。
【製造関連事業】
 建設機械向け鋳鉄製品及び船舶用モーターにつきましては、9月に発生した記録的な集中豪雨の影響により生産工場が被災し販売数量が減少し減収となりました。
 この結果、当部門の売上高は13億27百万円(前期比1億21百万円、 8.4%減)、営業損失は14百万円(前期は営業利益62百万円)となりました。
【運輸業】
 港湾運送部門につきましては、セメント輸送運賃の単価上昇がありましたものの、その輸送数量及び発電所向け石炭輸送が減少し減収となりました。
 石油小売部門につきましては、原油価格は下落に転じましたものの、円安に振れたことに加え重油等の販売数量の増加により増収となりました。
 この結果、当部門の売上高は17億88百万円(前期比59百万円、3.2%減)、コストの適正化に努めたことにより、営業利益は40百万円(前期比9百万円、30.9%増)となりました。
【アグリ事業】
 アグリ事業につきましては、大型量販店への年間販売数が増加し販売単価も改善いたしましたものの、被病や設備不良の発生、夏場の異常気象の影響等により当初の販売計画には及ばず、厳しい状況で推移いたしました。
 この結果、当部門の売上高は1億22百万円(前期比27百万円、28.4%増)、営業損失は1億51百万円(前期は営業損失1億76百万円)となりました。