2022年度 営業の概況 (2022年4月1日から2023年3月31日まで)

1.企業集団の現況
 (1)当事業年度の事業の状況
 当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が徐々に緩和され、経済活動の正常化が一段と進むことで経済は回復に向かうことが期待される中、ロシア・ウクライナ情勢の長期化並びに円安の進行による原材料価格及び燃料価格の高騰等、依然として先行き不透明な状況にて推移いたしました。
 旅行市場においては、行動制限の緩和等により徐々に回復いたしました。これを受け、観光事業につきましては、回復の動きをきめ細かくとらえたイベントの展開及び観光政策の効果もあって、スパリゾートハワイアンズの利用者数が昨年比大幅に増加となり、増収増益となりました。
 燃料商事事業につきましては、石炭の「本人取引」が減少したことにより減収となりましたものの、積極的な営業活動により大幅な増益となりました。運輸業につきましては、セメント輸送の増加及び石油製品価格の上昇により増収増益となりました。製造関連事業につきましては、原材料費の高騰等の影響もあり減収減益となり、アグリ事業につきましては引き続き厳しい状況にて推移いたしました。
 この結果、当連結会計年度の売上高は134億34百万円(前期比23億52百万円、21.2%増)、営業利益は6億20百万円(前期は営業損失23億39百万円)、経常利益は6億83百万円(前期は経常損失23億12百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億45百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失27億11百万円)となりました。
  セグメント別の業績は、次のとおりであります。
【観光事業】
 新型コロナウイルス新規感染者数は、夏季期間に急拡大したのち徐々に低減したものの冬季に再び拡大する等、予断を許さぬ状況が続きました。このような中、スパリゾートハワイアンズにつきましては引き続き、お客様と従業員、関係者の健康と安全を最優先として衛生対策の徹底を図りつつ、3月には政府方針に基づきマスク着用の緩和を行なうなど、状況変化に合わせたきめ細かい施設運営をしてまいりました。
 日帰り部門につきましては、ゴールデンウィーク期間中に「トロピカル~ジュ!プリキュアショー」「デリシャスパーティ♡プリキュアショー」「スーパー戦隊大集合ショー」「M-1グランプリ2021チャンピオン錦鯉お笑いライブ」、夏休み期間中には「ワールド・サマー・サーカス」、年末年始には「仮面ライダー大集合」、「プリキュアオールスターズがやってくる!」、春休み期間中には「ハッピードリームサーカス」等の多様なステージイベントを開催いたしました。
 ゴールデンウィークと夏休み期間中において、屋外のスパガーデンパレオにエア遊具の滑り台を4種類揃えた「スライダーアイランド」を期間限定でオープンいたしました。10月には3年ぶりに昼のポリネシアンショーを「Kukuna(ククナ)太陽の光」として全面リニューアルし、この中でフラガールの発案により、お客様と舞台上のダンサーが一緒に楽しめる演出を盛り込みました。また、12月にはフラガールとお客様とのパーティーをイメージした「ポリネシアン・トワイライトパーティー“明日へのスマイル”」の公演を開始しております。
 この他、夏季には、東京サマーランドとの共同企画として、水遊び・スライダーの楽しさを訴求するキャンペーン『すべリゾート宣言』を展開、10月には江戸情話与市オープン25周年の記念企画、1月にはJ2リーグ昇格を果たした地元いわき市を本拠地とするいわきFCとの包括連携協定の締結、いわき観光共同キャンペーン実行委員会がいわき市の姉妹都市であるハワイ州カウアイ郡の協力のもと制定した1月31日「アロハの日」に因んだ記念企画、3月からの「ハワイアンズタイムスリップ学割キャンペーン」等、さまざまな話題づくりを継続的に- 19 行ってまいりました。
 宿泊部門につきましては、新しい生活様式に合わせた、きめ細やかな受入れ及び安心安全な食のサービス提供を実施するとともに、新たな旅行プランとして「世界最大級の露天風呂『与市』の貸切」や「フラガールやシバオラショーの貸切」を開始、加えて「自家用車利用支援マイカープラン」や着地型周遊観光バスを再開、平日需要に応える「1室2名以上同額プラン」、「連泊割」など多種多様な旅行プランを提供してまいりました。
 トップシーズンである夏休みの第7波、冬休みと年末における第8波と、コロナ感染拡大の影響は少なからず受けましたものの、ゴールデンウィークとしては3年振りとなる移動制限「解除」等旅行市場の緩やかな回復に加え、政府による地域観光事業支援「県民割」や10月からの全国を対象とした「全国旅行支援」等の追い風も受け、利用人員につきましては、日帰り部門は747千人(前期比282千人、60.7%増)、宿泊部門は312千人(前期比141千人、82.3%増)となりました。
 スパリゾートハワイアンズ・ゴルフコースは、地元圏におけるコンペや宿泊ゴルフパックの利用が増加し、利用人員は39千人(前期比1千人、4.3%増)となりました。グランピング施設マウナヴィレッジは、7月1日に、客室のテントを新たに13張増設し、アクティビティエリアやトイレ・シャワー棟を新たに設けるなど大幅な拡張リニューアルを行い、利用人員は7千人(前期比6千人、310.9%増)となりました。
 また、1月15日にJRいわき駅に直結する「ホテルB4T」および商業施設「エスパルいわき」の開業にあわせ、同施設内にハワイアンテイストのレストラン「Hawaiians Kitchen Mahaloa(マハロア)」をオープンいたしました。
 この結果、当部門の売上高は91億77百万円(前期比41億7百万円、81.0%増)、営業利益は11億96百万円(前期は営業損失14億90百万円)となりました。
【燃料商事事業】
 石炭部門につきましては、新規受注獲得により大幅な増益となりました。石油部門につきましては、電力会社向けに加え一般産業向けも販売数量が増加し大幅な増益となりました。発電事業につきましては、天候不順はあったものの、概ね堅調に推移し、資材部門につきましては、販売数量が減少いたしました。
 この結果、当部門の売上高は石炭の「本人取引」が減少したことにより8億64百万円(前期比18億39百万円、68.0%減)と減収となりましたものの、営業利益は5億57百万円(前期比3億19百万円、134.0%増)となりました。
【製造関連事業】
 建設機械向け鋳鉄製品の受注が増加したものの、主に中国向け船舶用モーターの販売数量が減少したことにより減収となりました。
 この結果、当部門の売上高は14億49百万円(前期比76百万円、5.0%減)、営業利益は62百万円(前期比8百万円、12.3%減)となりました。
【運輸業】
 港湾運送部門につきましては、発電所向け石炭輸送は需要低迷等により減少したものの、セメント輸送が増加し増収となりました。石油小売部門につきましては、軽油等の需要低迷により販売数量は減少いたしましたものの、原油価格の上昇並びに円安により製品価格が上昇し増収となりました。
 この結果、当部門の売上高は18億47百万円(前期比1億5百万円、6.0%増)、営業利益は30百万円(前期比12百万円、71.8%増)となりました。
【アグリ事業】
 アグリ事業につきましては、前年度の下期から本格的な販売を開始し、大型量販店への年間契約販売による高単価販売先が増加し増収となりましたものの、天候不順や被病等により厳しい状況にて推移いたしました。
 この結果、当部門の売上高は95百万円(前期比55百万円、136.5%増)、営業損失は1億76百万円(前期は営業損失1億84百万円)となりました。